M&A転職は20代が有利?未経験から狙える職種・転職ルートと選考対策を解説

更新日: 2026/9/6

20代からM&A業界を目指すことは十分可能です。特にM&A仲介では、M&A経験そのものより、法人営業、新規開拓、金融機関での融資営業、経営者折衝、プロジェクト推進などの経験を評価する中途求人があります。

日本M&Aセンターの採用情報でも、M&Aコンサルタントの経験要件として、ソリューション営業、融資営業、新規開拓、高単価・無形商材の営業、プロジェクトマネジメント、経営者折衝など、複数の隣接経験が示されています。M&A経験の有無だけでなく、これまでの営業・金融・事業経験をどう接続できるかが重要です。

ただし「20代なら入りやすい」と考えるだけでは不十分です。M&A仲介、FAS、投資銀行では仕事内容も選考基準も異なるため、20代という年齢ではなく、自分の強みがどの入口に接続するかを考える必要があります。

20代のM&A転職は3つの入口に分けて考える

1. 営業経験を生かすならM&A仲介

M&A仲介では、譲渡企業の開拓、経営者との面談、買い手探索、条件交渉、クロージングまで担当します。

現行求人では、学歴・M&A経験不問で、対人コミュニケーション力とM&Aへの志向を求める募集や、営業経験を必須とする募集が確認できます。また日本M&Aセンターも、ソリューション営業や新規開拓などで高い成果を残した人を応募対象にしています。

そのため、20代で次の経験がある人は棚卸ししやすいでしょう。

  • 法人向け新規営業で継続的に目標達成した
  • 経営者や役員クラスへの提案経験がある
  • 無形・高単価商材を扱った
  • 金融機関で融資や法人営業を担当した
  • 数字で行動量と成果を管理してきた

重要なのは「営業が得意です」ではなく、顧客層、単価、新規比率、達成率、表彰、難しい案件の突破方法まで説明することです。

2. 会計・財務・分析力を生かすならFAS

FASでは財務DD、バリュエーション、M&Aアドバイザリー、PMIなど、財務・会計寄りの専門性が求められます。

若手であっても、監査法人、会計、経営企画、金融、コンサルなどの経験があれば接続できる可能性があります。一方、営業実績だけではM&A仲介ほど直接評価されない場合があります。

「企業価値評価や財務分析を深めたいのか」「経営者営業を軸に案件を獲得したいのか」を先に決めると、応募先が絞れます。

3. 資本市場まで含めたいなら投資銀行

投資銀行ではM&Aだけでなく、株式・債券による資金調達、IPO、カバレッジ業務なども扱います。M&A仲介よりも財務モデリング、企業分析、資料作成、英語、長時間の案件遂行力などを厳しく見られることがあります。

20代でM&Aに関わりたいからといって、すべてのM&A職を同じものとして応募するのは避けましょう。

20代未経験者にとって実績の「変換」が重要

M&A経験がない場合、選考側が見たいのは「M&Aをやったことがあるか」だけではありません。今の経験がM&A業務のどこで使えるかです。

現職の経験 M&Aでの接続先
法人新規営業 ソーシング、経営者折衝
銀行の融資営業 財務理解、オーナー企業対応
SaaS営業 課題把握、複数関係者への提案
経営企画 事業分析、M&A戦略、PMI
会計・監査 DD、財務分析、バリュエーション
コンサル 仮説構築、分析、案件推進

この変換ができれば、「未経験だから何もアピールできない」という状態を避けられます。

実際の求人では、M&A経験を必須とせず、対人コミュニケーション力やM&Aへの志向を重視する募集も確認できます。特定の経歴だけが唯一のルートではなく、営業・金融・企画・会計などの隣接経験をM&A業務へ翻訳することが重要です。

年収アップだけを目的にするとミスマッチが起きやすい

M&A仲介ではインセンティブ比率が大きい会社があります。しかし、求人に記載される高額報酬や平均値を、そのまま自分の初年度年収だと考えるのは危険です。

固定給、インセンティブ計算方法、支給タイミング、案件配分、ソーシング方法、成約までの平均期間などで収入の振れ幅は変わります。

転職前には最低でも次を確認してください。

  1. 固定給だけで生活設計できるか
  2. インセンティブは個人売上の何に連動するか
  3. 案件は自己開拓か会社供給か
  4. 入社後何カ月で主担当を持つか
  5. 未成約期間の評価方法はどうなるか

仕事内容との相性も含めて比較したい場合は、M&A転職が向いている人M&Aのやりがいも参考になります。

資格より先に財務三表とM&Aプロセスを理解する

資格があるだけで採用が決まるわけではありません。ただし、財務諸表を読めない状態では面接でも入社後でも苦労します。

M&A職では、資格名そのものよりも、財務三表、企業価値、DDからクロージングまでの流れを理解しているかが重要です。募集要項に資格取得や会計知識の条件がある場合は、その時点の採用情報で必須・歓迎を確認してください。

最低限、

  • 損益計算書・貸借対照表・キャッシュフローのつながり
  • EBITDAやネットデットの考え方
  • 株式価値と企業価値の違い
  • DD、基本合意、最終契約、クロージングの流れ

は説明できるようにしておくとよいでしょう。選考全体の流れはM&Aの選考プロセスで確認できます。

20代が面接前に作るべき「実績シート」

職務経歴書とは別に、次の5項目を1枚に整理しておくと面接準備がしやすくなります。

  • 最も高い営業・業務成果
  • その成果を出すまでの行動量
  • 難しい顧客との交渉事例
  • 数字を使って課題を改善した事例
  • 失敗から改善した事例

M&A面接では、表面的な志望動機だけでなく、粘り強さ、経営者への対応力、数値感覚、案件推進力まで確認されます。M&Aアドバイザリーの選考対策と照らし合わせて、自分のエピソードを準備しましょう。

また、勤務時間や案件繁忙は会社・チーム・案件フェーズで変わります。報酬だけでなく、案件配分、担当件数、休日対応の有無まで面接で確認してください。

まとめ|20代は「若さ」ではなく伸びしろを実績で証明する

20代のM&A転職は、未経験でも選択肢があります。ただし「若いから採用される」のではなく、営業、財務、分析、交渉、プロジェクト推進など、M&Aに転用できる経験を具体的に示せるかが重要です。

まずM&A仲介、FAS、投資銀行のどこを目指すか決め、現在の経験をM&A業務へ翻訳してみてください。

自分の経歴でどのM&A求人が現実的か判断したい場合は、コトラの転職支援でM&A領域に詳しいコンサルタントへ相談できます。

自分の経験で狙えるポジションを専門コンサルタントに確認しませんか?

あなたの経験を活かす非公開求人をご紹介します。

無料キャリア相談へ進む