「年間休日が多い」「土日祝日にしっかり休める」「有給休暇を取りやすそう」という理由で求人に興味を持つこと自体は不自然ではありません。働き方は転職先を選ぶ重要な条件です。
ただし、面接で「休日が多いから志望しました」だけを伝えると、仕事内容や会社への関心が弱いと受け取られる可能性があります。
大切なのは、休日への希望を隠して別の理由を作ることではなく、働き方の希望と「その会社で何をしたいか」を分けて整理することです。
休日を転職条件にすること自体は悪くない
休日や休暇は正式な労働条件です。厚生労働省は、年次有給休暇を労働者の心身の疲労回復や仕事と生活の調和のための権利として説明しています。
また、厚生労働省の2025年「就労条件総合調査」では、2024年(または2023会計年度)の年次有給休暇の労働者1人平均取得率は66.9%で、1984年以降の調査で過去最高となりました。
つまり、休める環境を確認すること自体を後ろめたく考える必要はありません。
問題になるのは、選考で問われる「なぜこの会社・仕事なのか」と、本人の「転職条件」を混ぜてしまうことです。
志望動機は「仕事」と「会社」の理由を主語にする
志望動機の中心は、次の3点で作ります。
- 自分が今後取り組みたい仕事
- これまでの経験がどう活かせるか
- なぜその企業・ポジションなのか
休日は4番目の「長く働くための環境条件」として位置づけると自然です。
例えば本音が「休日を増やしたい」であっても、応募先で本当にやりたい仕事があるなら、面接ではその仕事への接続を先に伝えます。
「休日が多い」を前向きに言い換える基本形
NGに近い伝え方
前職は休みが少なかったので、年間休日の多い御社を志望しました。
これでは、会社が変わればどこでもよいように聞こえます。
伝え方の例
今後はこれまでの法人営業経験を活かしながら、より長期的に顧客の課題解決へ関われる環境で専門性を高めたいと考えています。御社は○○領域に強みがあり、募集ポジションでは既存顧客への継続的な提案を担える点に魅力を感じました。長期的に成果を出すため、働き方も含めて持続的にキャリアを築ける環境を重視しています。
この形なら「休みたい」ことを「仕事への意欲」に無理に変換していません。仕事内容を主軸にしつつ、働き方も長期就業の条件として扱っています。
休日を志望動機に入れてよいケース
働き方そのものが企業の事業・制度と結びついている
例えば、柔軟な働き方を企業文化として明確に掲げ、それが生産性や人材戦略と結びついている企業なら、制度への共感を一部に入れることは可能です。
ただし「制度があるから入りたい」で終わらせず、その環境でどう成果を出すのかまで説明します。
前職の働き方が転職理由として避けられない
長時間労働や休日出勤が続き、健康や家庭との両立に現実的な問題がある場合は、無理に隠す必要はありません。
「前職が嫌だった」ではなく、次の職場でどのような働き方を実現し、どう仕事を続けたいかへ話を進めましょう。
求人選びの条件を聞かれた
「転職先選びで重視する条件は何ですか」と聞かれた場合は、仕事内容、成長機会、報酬、勤務地、休日などを優先順位付きで答えられます。
この質問では、休日を挙げること自体より「休日だけが判断基準なのか」が見られます。
年間休日と有給休暇は分けて確認する
「休みが多い会社」を探すとき、年間休日と年次有給休暇を同じものとして見ないようにしましょう。
年次有給休暇は、法定要件を満たすと入社6か月後に10日が付与され、その後勤続年数に応じて最大20日まで増えます。さらに、年10日以上の年休が付与される労働者には、使用者が年5日を取得させる義務があります。
一方、年間休日は会社の所定休日です。完全週休2日制か、祝日は休みか、年末年始休暇があるかなどで変わります。
求人票を見るときは次を確認してください。
- 年間休日数
- 完全週休2日制か週休2日制か
- 祝日の扱い
- 年末年始・夏季などの特別休暇
- 有給休暇の付与時期
- 有給取得実績
- 休日出勤と振替休日の運用
志望動機と転職理由は矛盾させない
面接でよくある失敗は、転職理由では「休日を増やしたい」と話しているのに、志望動機では「御社の事業に以前から強い情熱があった」と急に別人のようになることです。
両者は次のようにつなげます。
転職理由:今の働き方では長期的な専門性形成が難しい
次に実現したいこと:働き方を整えながら○○領域で経験を深めたい
志望動機:応募先では自分の経験を活かして○○に挑戦できる
この順番なら、休日への希望を隠さず、仕事内容への志望とも矛盾しません。
転職理由と志望動機の整合を取りたい場合は、転職理由でキャリアパスを伝える方法も参考になります。
面接では「休日」より先に仕事への回答を完成させる
休日は重要な条件ですが、面接官が採用したいのは「休みを大切にする人」でも「休みを気にしない人」でもなく、そのポジションで成果を出せる人です。
したがって、志望動機を作る順番は、
- やりたい仕事
- 活かせる経験
- 応募企業である理由
- 長期的に働くための条件
とするのがおすすめです。
休日を理由に求人を探している人ほど、条件面だけで応募先を絞りすぎると、仕事内容が合わず再転職になる可能性があります。業務内容と働き方の両方を見ながら求人を比較したい場合は、コトラの転職支援サービスで、希望条件を含めて相談できます。