外資就活で見る投資銀行の働き方|IBDの1日・激務の理由と確認点

更新日: 2026/8/10

外資系投資銀行のIBD(投資銀行部門)は、常に同じ時間に帰れる仕事ではなく、案件の進捗、顧客からの修正、社内レビュー、複数案件の重なりによって負荷が大きく変わる働き方と考えた方が実態に近いです。

外資就活ドットコムの2024年の記事では、筆者の就活時のヒアリング等を踏まえ、IBDは19時に終わる日もあれば深夜を過ぎる日もあり、ジュニアのうちは予測しにくいと説明されています。ただし、これは企業が公式に定めた一律の終業時刻ではなく、就活メディアによる働き方の記述です。

一方、モルガン・スタンレーの公式採用情報では、アナリストは同時に複数の案件に携わり、財務情報の収集・分析と案件執行を担当するとされています。IBDの忙しさを理解するには、単純な「何時まで働くか」より、仕事がどのように発生するかを見ることが重要です。

IBDの仕事はM&Aと資金調達が中心

モルガン・スタンレーは投資銀行業務について、M&Aアドバイザリーや資金調達を中心とする企業金融サービスと説明しています。

ジュニア層では、案件に応じて次のような業務を担当します。

  • 企業・業界のリサーチ
  • 財務情報の収集と分析
  • バリュエーション
  • 財務モデルの作成・更新
  • プレゼン資料作成
  • M&A候補先の分析
  • デューデリジェンス対応
  • 社内外の会議準備
  • 案件執行に伴う進捗管理

重要なのは、これらが一つずつ順番に来るとは限らない点です。

公式採用情報でも「同時に複数の案件」とされているように、ある案件の資料を直しながら、別案件の分析や翌日の会議準備が重なることがあります。

なぜ投資銀行は夜が遅くなりやすいのか

1. 顧客とシニアのレビューで作業が戻ってくる

IBDの資料は一度作って終わりではありません。

アナリストが作成した分析やスライドは、アソシエイト、VP、ディレクターなど複数レベルでレビューされ、数字、表現、ストーリーラインを修正します。

顧客への提出期限が翌朝なら、夕方にコメントを受けてもその日のうちに反映する必要がある場合があります。

2. M&Aには相手方がいる

M&A案件では、自社と顧客だけでスケジュールを決められません。

買い手・売り手、弁護士、会計士、税理士、金融機関など多くの関係者が動きます。相手から資料や質問が届く時刻によって、当日の作業量が変わります。

3. 複数案件が同時進行する

モルガン・スタンレーのアナリスト紹介でも、複数案件を同時に担当すると明記されています。

一本の案件が落ち着いていても、別の案件で急な対応が発生すれば予定は変わります。

4. クロスボーダー案件では時差が加わる

海外チームや海外の顧客・買い手と連携する案件では、日本時間の夕方以降に欧州、夜に米国とのコミュニケーションが入ることがあります。

すべての案件がそうなるわけではありませんが、グローバル案件を志望するなら確認したいポイントです。

IBDの「1日」は固定スケジュールではない

以下は業務構造を理解するための一例であり、特定企業の固定勤務時間ではありません。

午前

  • 前夜からのメール・案件進捗確認
  • 市場・企業ニュース確認
  • チームミーティング
  • 顧客会議に向けた分析更新

日中

  • 財務モデル・バリュエーション
  • ピッチ資料の作成
  • 顧客ミーティング
  • M&A候補先・業界分析

夕方以降

  • シニアからのレビュー反映
  • 顧客コメントへの対応
  • 海外チームとの会議
  • 翌日の会議資料の最終化

暇な日はこの流れが早く終わることもありますが、案件が重なると夜まで修正が続きます。

M&A・ECM・DCMで働き方は同じではない

「投資銀行」と一括りにしても、担当領域で仕事の波は異なります。

M&A

交渉相手、DD、契約、取締役会等のイベントが重なりやすく、案件局面によって負荷が急に高まることがあります。

ECM

株式発行やIPOなど市場と関係する業務が中心です。市場環境や公表スケジュールを意識して進めます。

DCM

債券による資金調達を扱い、市場環境、発行条件、投資家動向等と密接に関係します。

外資就活の2024年記事でも、M&A、ECM、DCMなどIBD内の担当によって働き方に差があると説明されています。

そのため、「○○証券は何時に帰れるか」だけで企業を比較するより、自分が希望する部署と案件タイプまで確認した方が有益です。

年収の高さと働き方はセットで確認する

外資系投資銀行は高い報酬水準が注目されやすい一方、報酬だけで選ぶと仕事内容とのミスマッチが起こりやすくなります。

働き方の評価では、報酬の高さだけでなく案件の性質や責任範囲まで確認する必要があります。IBDの評判を確認するポイントも参考になります。

選考準備では、給与と同時に次の項目を確認してください。

  • どの部門・チームに配属されるか
  • ジュニア1人が抱える案件数のイメージ
  • M&Aと資本市場案件の比率
  • 海外チームとの連携頻度
  • 在宅・フレックス等の制度の有無
  • 有給休暇の運用
  • 深夜・休日対応が発生する局面
  • タクシー、食事等の勤務支援制度

制度は会社・拠点・年度で変わるため、口コミだけで断定せず、募集要項や選考の場で最新情報を確認するのが安全です。

就活生が「激務に耐えられるか」より先に考えること

投資銀行を志望する際、「長時間労働に耐えられるか」だけで自己分析すると不十分です。

むしろ、

  • 短い期限で精度を上げることが苦にならないか
  • 細かな修正を何度も行えるか
  • 数字と文章の両方を扱えるか
  • 複数タスクの優先順位を切り替えられるか
  • 顧客の重要案件に対する責任を面白いと思えるか

を考えた方が、IBDとの適性を判断しやすくなります。

選考で自身の経験をどう伝えるかは、投資銀行の自己PRも参考になります。

まとめ|投資銀行の働き方は「平均退社時刻」だけでは分からない

外資就活などでIBDの働き方を調べると、遅い時間まで働く例が目に入ります。実際、案件の締切やレビューに左右されやすい職種です。

ただし、見るべきなのは一つの退社時刻ではありません。

  • どの部門か
  • 何案件を並行するか
  • 案件がどのフェーズか
  • 海外との連携があるか
  • チームの人員配置はどうか

によって負荷は変わります。

投資銀行を本格的に志望する前に、自分の適性や現在の経験がどのポジションに近いか確認したい場合は、コトラの転職支援で金融領域の専門コンサルタントに相談し、実際の求人条件と照らし合わせる方法があります。

今の経験が市場でどう評価されるか、専門家に相談してみませんか?

あなたの経験を活かす非公開求人をご紹介します。

無料キャリア相談へ進む