CxOに共通する一律の英語基準はありません。必要な英語力は、役職名ではなく「誰と、何を、どこまで自分で決める仕事か」で変わります。
国内事業だけを担当する経営ポジションなら、英語をほとんど使わないケースもあります。一方、海外投資家への説明、海外子会社の管理、クロスボーダーM&A、海外パートナーとの契約、グローバル開発組織のマネジメントを担うなら、経営判断を英語で行う力が必要になります。
転職時は「TOEIC何点か」だけで判断せず、会議、交渉、文書作成、プレゼンテーションのどこまで求められるかを確認するのが現実的です。
CxOの英語力は「読む・書く・話す」で必要度が違う
読む
取締役会資料、契約書、投資家資料、海外拠点からのレポート、技術資料などを自分で理解できる力です。翻訳ツールを使えても、最終判断をする立場では要点やリスクを見抜く必要があります。
書く
メールやチャットだけでなく、投資家への説明、方針文書、経営会議のコメントなど、誤解が経営判断に影響する文章を扱うことがあります。
話す
最も差が出るのが会議と交渉です。日常会話ができることと、資金調達条件、事業計画、人員配置、契約条件をその場で議論できることは別です。
CxO候補の求人を見ると、「英語力あり」が評価されるだけの仕事と、「海外投資家・海外大学・海外パートナーと折衝できるビジネスレベル以上」が必須の仕事が混在しています。
CEO・COOは事業のグローバル度で決まる
CEOやCOOでは、英語の必要度は事業範囲に直結します。
例えば、コトラに掲載されている投資先COO候補の現行求人では、日本・米国を含む開発プロジェクト、海外投資家・大学・パートナーとのコミュニケーションを担うため、ビジネスレベル以上の英語力を必須としています。
このようなポジションでは、英語は「加点要素」ではなく、経営機能そのものです。通訳を介して情報を受け取るだけでは、意思決定の速度が落ちる場面もあります。
反対に、国内店舗事業や国内BtoB事業のCOOで、主要な顧客・株主・従業員が日本語話者なら、英語より事業運営や組織マネジメントが優先されることがあります。
CFOは海外子会社・投資家・会計基準で必要度が上がる
CFOでは、海外子会社の管理、海外投資家からの資金調達、クロスボーダーM&A、IFRS対応などがあると英語を使う場面が増えます。
コトラのCFO解説でも、海外子会社がある企業では英語力が必要になる場合があると整理されています。
また、海外事業FP&Aの現行求人では、海外経理チームとの連携や英語でのテキストコミュニケーションを前提に、CEFR B2以上またはビジネスでの英語使用経験を必須とする例があります。これはCxO共通基準ではありませんが、グローバル財務の実務で求められる水準を考える参考になります。
CFOを目指すなら、英語試験の点数だけでなく、
- 英文財務資料を読めるか
- 海外投資家の質問へ答えられるか
- 資金調達・M&Aの論点を説明できるか
- 海外拠点の責任者と予算を議論できるか
を確認した方が実務に近いでしょう。
CTOは技術英語より「意思決定を伝える英語」が重要になる
CTOでは、技術文書を読む力に加え、海外エンジニア、外部ベンダー、経営陣へ技術方針を説明する力が必要になる場合があります。
コードやドキュメントを英語で読めても、採用、開発優先順位、セキュリティ、予算、障害対応を英語で合意形成できなければ、グローバル組織のCTOとしては不足することがあります。
CTO候補で技術力以外にどこまで求められるかは、CTO転職の難易度も参考になります。
「TOEICの点数」より求人票で確認したい5項目
- 英語を使う相手は社内か社外か
- メール中心か、会議・交渉まであるか
- 海外出張・駐在・時差会議があるか
- 投資家・取締役・顧客への説明責任があるか
- 英語で最終意思決定をする場面があるか
同じ「ビジネス英語」でも、月数回の会議と、毎日海外チームをマネジメントする仕事では必要水準が違います。
英語が弱いCxO候補は、何から補強すべきか
英会話全般を広く学ぶより、今後担いたい役割に合わせる方が効率的です。
CFO候補
決算説明、資金調達、IR、M&Aで使う語彙と説明を優先します。
COO候補
KPI、事業計画、営業、採用、オペレーションの議論を英語で行う練習が有効です。
CTO候補
アーキテクチャ、セキュリティ、採用、ロードマップの説明を重点的に行います。
CEO候補
短時間で会社の戦略、強み、財務状況、リスクを説明し、質問に答える練習が重要です。
英語に不安があるからCxOを諦めるのではなく、「英語が必要なポジション」と「国内経験を優先するポジション」を分けて探す方が現実的です。
CxO候補として経験年数や年齢との関係も整理したい場合は、CxO転職の年齢制限も確認すると、語学以外の条件を分けて考えられます。
英語以外の選考条件も確認したい場合は、CxOに学歴は必要かも参考になります。
CxOの英語力は役職ではなく、経営する範囲で決まる
CxOに必要なのは英語の肩書ではなく、経営責任を果たせるコミュニケーション力です。海外投資家や海外拠点が重要なら高い英語力が必要になり、国内事業中心なら財務、技術、営業、組織運営など他の能力が優先されることもあります。
自分の英語力と経営経験で、どのCxO候補ポジションなら現実的に狙えるか確認したい場合は、コトラの転職支援サービスで専門コンサルタントに相談できます。求人ごとの英語使用場面まで確認すると、不要な足切りをせずに選択肢を広げられます。