CTOの残業は多い?平均時間に頼らず働き方を見極める7つのポイント

更新日: 2026/8/10

CTOは残業が多いのか――。結論から言えば、「CTOの平均残業は月○時間」と一つの数字で判断するのは適切ではありません。 CTOという肩書でも、技術戦略だけを担う人、開発組織のマネジメントまで担う人、自ら実装する人、障害対応の最終責任まで持つ人では、仕事量も時間の予測可能性も大きく変わるためです。

2026年8月31日時点で確認できる求人を見ても差があります。カイタクのCTO候補はフルリモート・フレックスタイム制で、45時間分の固定残業代を含む報酬設計です。一方、Care EarthのCTO候補求人は9時〜18時勤務で、月平均残業20時間以下と記載しています。これらは各社・各ポジション固有の条件であり、CTO全体の平均を示すものではありません。

転職前に見るべきなのは、残業時間の口コミより、CTOに何を集中させる組織設計になっているかです。

CTOの残業が増えやすいのは「役割が重なっている会社」

CTOの負荷を左右する最大の要素は、役割の広さです。

CTO候補の求人では、技術選定やアーキテクチャだけでなく、技術的負債の解消、コードレビュー、プロダクト開発、開発文化、評価基準、経営判断まで一つのポジションに含める例があります。

この場合、勤務時間を押し上げやすいのは「技術戦略」という抽象的な仕事そのものではなく、次の仕事が同時に乗ることです。

  • 経営会議で事業計画と技術投資をすり合わせる
  • プロダクトロードマップを決める
  • アーキテクチャや技術選定の最終判断をする
  • エンジニア採用・評価・配置を担う
  • 重要顧客やセキュリティ監査へ対応する
  • 重大障害で技術判断を行う
  • 自ら設計・実装・レビューにも入る

少人数のスタートアップでは、CTO、VPoE、EM、テックリード、セキュリティ責任者の役割が一人に寄ることもあります。逆に組織が成熟し、VPoEやEM、SRE、セキュリティ責任者などへ役割が分散されていれば、CTOは技術戦略と経営判断へ集中しやすくなります。

CTOの役割そのものを整理したい場合は、CTOの仕事内容も確認しておくと、求人ごとの守備範囲を比較しやすくなります。

求人票の「固定残業45時間」を実残業45時間と読まない

残業を調べるときに誤解しやすいのが固定残業代です。

例えばカイタクのCTO候補求人は、報酬に45時間分の固定残業代を含むと記載し、超過分は別途支給するとしています。しかし、固定残業45時間=毎月45時間残業している、という意味ではありません。 これは賃金設計上の記載であり、実際の労働時間は別に確認する必要があります。

求人票では次の項目を分けて見てください。

求人票の項目 確認する意味
所定労働時間 基本となる勤務時間
固定残業時間 給与に含まれる時間外手当の設計
平均残業時間 実績が明記されている場合の参考値
フレックス 始業・終業時刻の柔軟性
裁量労働制 対象業務・適用条件・みなし時間
リモート勤務 働く場所の自由度。残業の少なさとは別

Care EarthのCTO候補求人のように「月平均残業20時間以下」と明示する例もあります。数値がある場合も、全社平均なのか対象職種の平均なのか、直近何か月の数字なのかを面接で確認すると精度が上がります。

残業より厳しいことがある「時間の読めなさ」

CTOの働き方で見落とされやすいのは、総労働時間より予定を自分でコントロールできるかです。

重大障害

サービス停止、データ障害、セキュリティインシデントなどが発生すると、通常業務より復旧・原因分析・対外説明が優先されます。CTO本人が一次対応に入るのか、SREやEMが対応してCTOは重大判断だけ行うのかで負荷は変わります。

資金調達・M&A・大型商談

技術デューデリジェンス、投資家説明、重要顧客への技術説明が短期間に集中することがあります。平常時の残業が少なくても、こうしたイベント前に負荷が上がる企業はあります。

組織拡大

エンジニアを短期間で増やす会社では、採用面接、評価制度、マネージャー育成、開発プロセス整備が同時進行します。プロダクト開発だけを見ていると実際のCTO負荷を読み違えます。

労働時間の法律は「CTOという肩書」だけでは決まらない

一般の労働者に適用される時間外労働の上限について、厚生労働省は原則として月45時間・年360時間と案内しています。臨時的な特別の事情があり労使が合意した場合にも上限があります。

ただし、CTOという名称だけで労働時間規制の扱いを判断することはできません。労働基準法上の管理監督者に当たるかどうかは、肩書ではなく職務内容、責任・権限、勤務態様、待遇など実態で判断されます。また、取締役等としての立場と従業員としての立場がどう設計されているかでも扱いが変わり得ます。

転職時には「役員だから残業という概念がない」「CTOだから管理監督者」という説明をそのまま受け取らず、雇用契約なのか委任契約なのか、労働時間制度は何か、報酬に何が含まれるかを確認してください。

CTOの残業を見極める7つの質問

求人票だけで判断できない場合は、面接・オファー面談で次を聞きます。

1. CTOが直接マネジメントする人数は何人か

直属人数が多いほど、1on1、評価、採用、配置の負荷が増えます。VPoEやEMがいるなら、誰がピープルマネジメントを持つかを確認します。

2. CTO自身はどの程度コードを書くのか

「プレイングCTO」は魅力的に見えますが、経営・採用・技術判断をしながら実装責任も持つと、時間の総量が増えやすくなります。

3. 重大障害時の最終エスカレーション先は誰か

オンコールのローテーション、夜間・休日の一次対応者、CTOが呼ばれる条件を具体的に確認します。

4. 技術負債と新機能の優先順位を誰が決めるか

CTOに決定権がなく、事業側からの要求だけを受ける構造だと、残業以前に優先順位が崩れやすくなります。

5. VPoE・EM・PdMとの境界はどこか

「全員でやる」は、責任者がいないことの言い換えになっていないか確認します。役割分担が言語化されている会社ほど、負荷の所在を予測しやすくなります。

6. 直近3か月で最も忙しかった週は何が起きていたか

「平均残業は何時間ですか」より、実例を聞く方が働き方をイメージできます。繁忙の原因が障害、採用、リリース、資金調達など何だったかを確認します。

7. 休日・夜間対応の翌日はどう調整するか

フレックスやリモート制度があっても、実際に回復時間を取れなければ意味がありません。代休、始業調整、チーム内のバックアップ体制まで聞きましょう。

「残業が少ない会社」より、自分が担いたいCTO像と合うかを見る

CTOを目指す人の中には、技術戦略に集中したい人もいれば、創業者に近い立場でプロダクトも採用も全部やりたい人もいます。

前者にとっては、VPoE・EM・SREが整った組織が合いやすいでしょう。後者にとっては、役割が広いスタートアップの方が面白く感じられる可能性があります。

つまり残業を減らすことだけを目的に会社を選ぶより、「自分はどこまで責任を持ちたいのか」と「会社がCTOへ集めている責任」が一致しているかを見ることが重要です。

転職難易度も含めて自分の経験がどのCTOポジションに合うか確認したい場合は、CTOの転職難易度も参考になります。将来どの経験を積むべきかは、CTOのキャリアパスで整理できます。

よくある質問

CTOは毎日深夜まで働く仕事ですか?

一律ではありません。現行求人にもフレックス、リモート、固定時間、裁量労働など複数の制度があり、平均残業時間を明示する求人もあります。会社名より、役割範囲、障害対応、分業体制を確認してください。

スタートアップCTOは大企業CTOより残業が多いですか?

必ずしもそうとは言えません。ただ、少人数組織では技術戦略、実装、採用、組織づくり、障害対応が一人へ集まりやすいため、役割が広いかどうかは重要な確認点です。

フルリモートならCTOの負担は軽くなりますか?

通勤負担は減らせますが、経営会議、採用、レビュー、障害対応などの業務量が自動的に減るわけではありません。働く場所と仕事量は分けて判断しましょう。

CTO転職で残業を聞くと印象が悪くなりませんか?

「何時間残業しますか」だけで終わらせず、「重大障害時の体制」「VPoEとの役割分担」「直近の繁忙要因」など、成果を出すための組織設計として聞けば、職務理解の深い質問になります。

まとめ|CTOの残業は「平均時間」より責任の集中度を見る

CTOの残業は、肩書だけでは予測できません。現行のCTO候補求人を見ても、勤務制度や残業に関する記載は企業ごとに異なります。

転職前に見るべきなのは、誰が技術判断をし、誰が組織を管理し、誰が障害対応を持ち、CTO本人がどこまでプレイヤーとして動くのかです。

自分の経験で狙えるCTO・CTO候補求人と、そのポジションで実際に期待される責任範囲を整理したい場合は、コトラの転職支援サービスで専門コンサルタントに相談し、求人票だけでは見えにくい組織体制や役割期待も含めて比較してみてください。

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