CTOは激務?忙しくなる5つの理由と転職前に確認したい働き方の実態

更新日: 2026/8/23

CTOは激務になり得るポジションですが、「CTOだから必ず長時間労働」というわけではありません。負荷を大きく左右するのは、会社のフェーズ、技術組織の人数、CTO自身がコードを書く範囲、採用責任、障害対応、VPoEやCIOとの役割分担です。

特にスタートアップでは、技術戦略を考える経営者でありながら、アーキテクト、開発責任者、採用責任者、重要障害の最終判断者まで兼ねることがあります。反対に組織が成熟し、VPoE、Engineering Manager、CISO、CIOなどへ責任が分散されていれば、CTOが経営と技術戦略へ集中しやすくなります。

転職前には「CTOという肩書」ではなく、実際に何を背負うポジションなのかを確認することが重要です。

CTOが激務になりやすい5つの理由

1. 技術と経営の両方で意思決定する

CTOは単なる上級エンジニアではありません。

コトラの既存解説では、CTOの役割として技術戦略の計画と実行、新技術の導入・評価、エンジニアの管理・育成、技術的意思決定、他部門との連携などが挙げられています。

つまり、技術的に正しいだけでは不十分で、予算、事業戦略、採用、開発速度、リスクを同時に見ながら判断する必要があります。この「複数の正解を調整する仕事」が負荷の大きさにつながります。

2. スタートアップでは実務と経営を兼任しやすい

CTOの仕事内容は企業によって大きく異なります。TechTargetも、CTOの職務は会社の規模、業界、事業目的によって大きく変わり、製品・イノベーション寄りの場合もあれば、社内IT寄りの役割を持つ場合もあると説明しています。

特に小規模な会社では、CTOが次の仕事を同時に担うことがあります。

  • 技術選定
  • 設計・コードレビュー
  • 開発優先順位の決定
  • エンジニア採用
  • 評価・育成
  • セキュリティ判断
  • 顧客や投資家への技術説明
  • 重大障害時の対応

会社が成長しているのに責任分担が進んでいないと、CTOの仕事だけが積み上がりやすくなります。

3. 障害・セキュリティ事故は予定通りに起きない

プロダクト企業のCTOでは、重要障害、サイバーセキュリティ、データ事故などが通常業務とは別に発生します。

24時間サービスであれば、CTO自身が常時オンコールに入らなくても、重大インシデント時のエスカレーション先になることがあります。

「普段は忙しくないが、大きな障害時に負荷が急上昇する」という働き方もあるため、平均的な残業時間だけでは実態をつかめません。

転職時は、直近の障害件数を聞くというより、誰が一次対応し、どのレベルからCTOが呼ばれるのかを確認すると体制を把握しやすくなります。

4. エンジニア採用が事業成長のボトルネックになりやすい

成長企業では、技術課題と同じくらい採用がCTOの重要業務になることがあります。

採用要件の策定、候補者との面談、技術広報、採用クロージング、入社後の組織設計まで関与すると、開発とは別の時間が必要です。

「CTOが全候補者を最終面接する」「技術広報もCTOが担う」といった体制では、採用人数が増えるほど負荷も増えます。

5. 権限が大きいのに、責任範囲が曖昧な会社がある

CTOが忙しい会社で見落としやすいのが、役割の重複です。

例えば次のような状態です。

  • CTOとVPoEの境界が曖昧
  • CTOとCIOが両方IT予算を見ている
  • CPOがいないためプロダクト判断までCTOが担う
  • CISOがいないためセキュリティ責任もCTOに集中する
  • 開発部長が不在でピープルマネジメントまで直轄する

肩書が豪華でも、責任だけが広く委譲先がない状態では、長期的に持続しにくくなります。

CTOの労働時間は一律に語れない

CTOだけを対象にした信頼できる「平均残業時間」を一つの数字で示すのは難しく、企業規模や雇用上の立場も大きく異なります。

さらに、日本ではCTOという肩書だけで、労働基準法上の「管理監督者」と自動的に判断されるわけではありません。

厚生労働省は、管理監督者に該当するかどうかは名称ではなく、職務内容、責任と権限、勤務態様、賃金などの待遇を踏まえて実態で判断するとしています。

スタートアップ向けの厚生労働省通達でも、役職者が管理監督者に該当するかは、経営者と一体的な立場にあるか、重要な職務・責任を持つか、勤務態様が労働時間規制になじまないかなどを総合的に判断するとされています。

そのため、転職時には「CTOなので残業代はありません」といった説明だけで判断せず、雇用契約上の位置付けや報酬体系も確認したほうがよいでしょう。

スタートアップCTOと大企業CTOでは忙しさの質が違う

スタートアップ

少人数のため、戦略と実務が混ざりやすいのが特徴です。

MVP開発、資金調達前後の技術デューデリジェンス、採用、セキュリティ、顧客折衝など、会社の成長イベントに応じて仕事が増えます。意思決定は速い一方、一人に集中する責任も大きくなりがちです。

成長企業

組織が数十〜数百人規模になると、CTOがすべてを見るのは難しくなります。Engineering ManagerやVPoEなどに組織運営を委譲できるかが負荷を左右します。

このフェーズでは「自分で解く」より「誰に任せ、どの仕組みで解くか」が重要になります。

大企業

大企業では、CTOが技術戦略、R&D、技術ポートフォリオ、経営会議などに集中する一方、関係者の多さから合意形成や調整に時間を使うことがあります。

同じCTOでも、スタートアップの忙しさは「手が足りない」、大企業の忙しさは「関係者と論点が多い」という違いが出やすいでしょう。

転職前に確認したい7つの質問

CTO求人を比較するときは、年収やストックオプションだけでなく、次の質問をしてみると働き方が見えやすくなります。

  1. CTOが直接マネジメントする人数は何人か
  2. VPoE・CIO・CISO・CPOとの責任分担はどうなっているか
  3. CTO自身が実装やコードレビューをどこまで担うか
  4. 障害時のオンコールとエスカレーション体制はどうなっているか
  5. 採用に使う時間はどの程度か
  6. 取締役会・経営会議・顧客対応の頻度はどの程度か
  7. 入社後6〜12カ月で最も期待される成果は何か

この7項目を確認すると、「経営寄りCTO」「プロダクト寄りCTO」「技術トップ兼開発部長」の違いがかなり明確になります。

激務を避けるというより、責任と体制が釣り合っているかを見る

CTOは経営責任を持つ以上、一定の忙しさを完全に避けるのは難しいポジションです。

ただし問題は忙しいことそのものではなく、責任に対して権限・人員・予算・委譲先が足りているかです。

例えば、技術ロードマップを実行する責任があるのに採用権限がない、セキュリティ責任を負うのに専門人材を採れない、といった状態では成果を出しにくくなります。

CTOを目指すまでの経験や、その先のキャリアを整理したい場合は、CTOのキャリアパスも併せて確認するとよいでしょう。

コトラの公開求人から確認できるポイント

2026年8月23日時点で確認したコトラの公開求人では、まず事業の開発責任者を担い、段階的に管掌範囲を広げて将来CTOを目指す求人が公開されている。また、経営戦略を技術戦略へ落とし込み、安定稼働と新規市場拡大、エンジニア組織構築を担うCTO求人が公開されている。

この2件は市場全体の平均や成功確率を示す統計ではありません。この記事では、CTOの激務を肩書だけで決めず、技術責任に加えて組織、採用、経営、安定稼働まで何を同時に背負う求人かを確認するという判断に使います。求人票は更新・終了するため、応募時には最新の募集要項を確認してください。

出典方針:この節ではKOTORA JOURNALやKOTORA noteなどの一般解説記事を根拠にしていません。個別求人原票と外部一次情報を優先しています。

よくある質問

CTOは毎日長時間働く仕事ですか?

一律には言えません。会社の規模、開発組織、役割分担、障害対応、採用負荷によって大きく変わります。平均時間だけでなく、突発対応の頻度や自分に集中する責任範囲を見ることが重要です。

CTOは現場でコードを書くべきですか?

会社のフェーズによります。創業期は実装を担うこともありますが、組織が大きくなるほど、技術戦略、組織設計、経営判断へ比重を移すケースが増えます。求人ごとに期待値を確認すべきです。

CTOなら労働時間の規制は受けませんか?

肩書だけでは判断できません。厚生労働省は、管理監督者該当性を名称ではなく、職務内容、責任・権限、勤務態様、待遇などの実態で判断するとしています。

まとめ

CTOは、技術と経営の両方に責任を持つため激務になりやすいポジションです。特に、開発、採用、障害対応、セキュリティ、プロダクト判断まで一人に集中する会社では負荷が高くなります。

一方で、VPoEやCIO、CISO、Engineering Managerなどと責任が適切に分担されていれば、CTOが技術戦略と経営に集中できる環境もあります。

転職前には「CTOは忙しいですか」と抽象的に聞くのではなく、直属人数、実装範囲、オンコール、採用、役割分担、最初の6〜12カ月の期待成果を具体的に確認しましょう。

自分の経験でどの規模・フェーズのCTOが現実的な選択肢になるか整理したい場合は、コトラの転職支援サービスで経営人材・IT領域に詳しい専門コンサルタントへ相談してみるのも一つの方法です。

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